地方理系大学院生の雑記

地方国立大の理系院生です。思ったことを書きます

生きづらさを解消するヒント②~NLPの紹介~

 自分は様々な心理学を独学で学んできた。

心理学には、人の心を完全に読むことはできないとしても、人間が生きる上で抱える悩みや問題の深層に潜む心理を探ることができる。 そこで、今回は「生きづらさを解消するヒント」というタイトルで、これまでに学んできた心理学や文学の考え方を参考に、シリーズ化でお届けしていく。

 

前回は分人の定義から考えてみたが、今回は「マンガで分かる!すぐに使えるNLPを参考にし、NLPについて紹介していく。

 

 

マンガでわかる!  すぐに使えるNLP

マンガでわかる! すぐに使えるNLP

  • 作者:藤川 とも子
  • 発売日: 2018/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 1.NLPとは?→脳と心を活用するための心理学

Nuero Linguistic Progamingの頭文字をとってNLP。日本では神経言語プログラミングといわれている。

まずNuero。日本語で神経。とくに五感を表していて、

私たちは身の回りにある物事を五感を通じて体験している。

 

つぎにLinguistic。日本語で言語。

人は、五感で経験した情報を、言語を使って意味づけして思考している。

 

最後にPrograming

人は言語を基にプログラミングを作り、そのプログラミングのもとで行動を起こす。

このプログラムは、その人の行動や感情のパターンとなる。

 

 この三者の関係をベースにしながら、なりたい自分になるためにプログラミングをどのように変えればよいのか。

それを実践していくのが、NLPである。

 

2.NLPの発展

 1970年代のアメリカで誕生。もともとは、当時ベトナム戦争を経験し「PTSD」に苦しむ人の治療に使われていた。

 

しかしながら、1980年代以降そうした治療にとどまらず、コミュニケーション全般に関する手法として発展。

 

1990年代以降に日本でも普及した。

 

3.NLPの前提

 NLPを実践するために、前提としている認識が3つあるという。

 

①私たちは自分に都合よく解釈している

人間は多くの情報から、自分の都合で必要なものを選び取っている。このことから一人一人は世界を違ったように捉えているといえる。

だから、コミュニケーションが食い違ってしまうのだ。

 

②全ての行動に「肯定的な意図」がある。

例えば、そろそろ研究発表があるけど飲みにいってしまう状態があるとする。これは一見否定的にとらえられるが、実際は飲みに行くことでそのストレスから避難している、安全な場所を探しているというように考えることができる。

 

③「五感」は世界を捉えるときの出発点

現実は変えられない。しかし、、、

その捉え方を変えることはできる。

人は現実を捉えるとき、現実と感情をセットにしてしまう傾向がある。

それをしっかりと分けること。

五感の使い方次第で、感情や思考も大きく変えることができる。

 

この3つの前提のもとに、NLPの概念は成り立っている

 

4.NLPのシーン別 活用例

 NLPについて概要と歴史を知ったところで、さっそく私たちの生活で実践していくために、シーン別で紹介していこう。

本の内容から、私が特に大事だと思ったものを抜粋していく。

 

4.1 人間関係編

ページング:相手に合わせてコミュニケーションをしてみよう

 NLPでは、相手の気持ちや行動に合わせることを「ページング」という。このページングをすることで、相手は親しみやすさを感じ、打ち解けたコミュニケーションができるようになるという。

具体的には、相手の話すスピード、声の大きさがある。スピードが合うと相手は居心地の良さを感じ、安心することが知られているため非常に効果的だ。

 

ビリーフ:人間関係のベースを生み出しているものを知ろう

 この本によると、人間関係のベースになっているものは「環境」と「繰り返し」があると述べている。

「環境」とは、私たちが日常生活のなかで習慣化していることで、知らず知らずのうちに身につけるビリーフ(新年)がある。

例えば、親から「人のいうことをよく聞きなさい」といわれてきた人は、自分の意見を主張することが苦手になり、それが人間関係構築に影響をあたえるということがある。

 

もうひとつが「繰り返し」で、人は無意識のうちに一日の間に約6万語の会話を自分自身と繰り返していることが分かっている。この自分自身との会話は「内的対話」といわれ、約その8割がネガティブなことであることも分かっている。

例えば、コンビニにいったときに「あー、タンパク質とりたいからプロテインバーを買おう」や、好きな人をみつけたとき「今度おしゃれなバーに誘いたいな」などがある。

この「内的対話」のうち繰り返し行っていることは、私たちのビリーフに強い影響を与えるという。

 

そこで私たちが行うべきは、自分自身の「環境」と「繰り返し」について知ることである。

その知るための方法として、

自分自身で「○○すべきだ」「△△することが正しい」と思っていることを洗い出し、そこで出てきたものは「環境」と「繰り返し」に関わっていると考えることができる。

 

そうして分かったことから、プログラミングを変えていけばいい。

 

ラポール:相手との信頼関係をうまく構築しよう

 人間関係をうまく構築するには、ラポールを築くことが大切。

ラポールというのはフランス語で親和関係といった意味があり、NLPでは相手との自分との間に心のつながりを実感して、信頼関係を作るといった意味でつかわれている。

このラポールを相手と築くことで、警戒心や緊張が解け会話もスムーズに進んでいき自分が発信したことも、相手に受け止めてもらいやすくなる。

 

具体的なラポールの形成方法として、

ミラーリング→相手の動作をまねる※ただし、使いすぎに注意

バックトラック→相手が口にした言葉をオウム返しにする。例えば、相手が「最近、刺激がほしいだよね」といったら、「刺激がほしいんですね」と返す など。

あとは、相手の話をしっかりと聞いている雰囲気、姿勢、声の出しかた等

 

こうした会話での信頼関係を構築しつつ、相手との共通点を探ることが、円滑なコミュニケーションに繋がっていく。

 

ポジションチェンジ:位置を移動して過去の囚われから解放しよう

このポジションチェンジでは、3つの椅子を用意する。

第1ポジション→自分の視点

第2ポジション→相手の視点

第3ポジション→第3者の視点

 

最初は実践していくと、とまどってしまうことはあるかもしれないが、役者のようになりきることがポイントだ。

 

このように、相手になりきることで、これまで思いもよらなかった感情がわいてきて、「なるほど、そういう見方もあったんだ」「こんなふうに考えられるのか」と

思わぬ発見が得られることがある。

 

これがポジションチェンジの効果だ。

 

4.2 リフレッシュ編

 次は、リフレッシュ編という事で気持ちを軽くする方法を紹介する。

 

フレーミング:ものの見方や視点を変えて気持ちを軽くしよう

モノの見方や視点を「フレーム」といい、人はそれぞれ異なる「フレーム」をもっている。

例えば、ベンツが好きな人は街中でベンツを頻繁に見かけるようになる。逆にレクサスが好きな人はレクサスを頻繁に見かけるようになる などが挙げられる。

 

このフレームを自分にとって有効な方向に変えることで、感情を変化させる方法をリフレーミングという。

このリフレーミングは、人間関係や自己分析に活用することができる。

例として、あまり人付き合いがよくない人を想定しよう。

この人はたしかに飲みにあまりこないし、友達がすくなそうだ。

 

ここで、リフレーミング。たしかにその面はあるけど、一人でしっかりと行動でき、自分の中で有意義に時間を使っている人なんだという一面も考えることができる。

 

また、自己分析では今まで短所と思っていたところが見方を変えれば、長所になったりすることもある。

そうすることで、思わぬ自分の可能性にきずき、前向きに行動ができるようになる。

 

このようにリフレーミングは、現実を見る視点を変えることで意味が変わる手法である。必ずしも前向きにとらえるといったものではないことがポイントだ。

 

 多角的な視点を持つことで、柔軟に世界に対応できるようになる

 
4.3 学びがもっとうまくいく

 最後に紹介するのが、学び編ということでTOTEモデルを説明していく。

一般にある目標を達成したいときに知られているのが、PDCAサイクルだ。それと基本は同じなのだが、それよりもTOTEモデルは簡単に実行することができる利点がある。

 

TOTEモデル:サイクルを繰り返して効果的に学ぼう

NLPには目標達成のモデルとして、TOTEモデルというものがある。

順をおって説明していこう。

Test(テスト)→現状と当初の目標が一致しているかどうかチェック

Operate(具体的な行動)→目標と現状の差を埋めるために具体的に行動

Test(テスト)→具体的に行動した結果、理想とする結果につながったかどうをを確認

Exit(出口)→目標が達成されたときには出口へ

 

このサイクルを何度も行うことで、目標を達成することができるようになるのがTOTEモデルである。

 

このモデルには失敗というのはなく、あるのはフィードバックのみ。現状の方法でうまくいかなければ、別の方法を試せばいいという考えで成り立っている。

 

どうだろう。PDCAより実践するのは簡単ではないだろうか。

 

まとめ

 今回はシーン別で自分が重要だと思ったものを抜粋し、紹介してみた。それぞれのやり方も慣れてくれば、組み合わせて自然につかうことができるようになるだろう。

 

最後に、新世紀エヴァンゲリオンで登場した加持リョウジの言葉を紹介しよう。

「人は他人を完全に理解することはできない。

自分自身だってあやしいものさ。100%理解し合うことなんて不可能なんだよ。

人は自分を知ろうと努力する。だから面白いんだよ、人生は」

 

自分がつくりあげた世界、物語に囚われる必要なんてない。

永遠の悲劇の主人公にならないために。

 

活用したら、生き方がもっと軽くなる。

それがNLPだ。

 

 

 

 

 

さあ、今日から実践していこう。