地方理系大学院生の雑記

地方国立大の理系院生です。思ったことを書きます

絶望と希望はコインの裏表と似ている。

 今日の日経新聞掲載の春秋にて、興味深い内容の話があった。

 

 京都大学霊長類研究所でくらす一匹のチンパンジー、レオ君の話。

レオ君は24歳の時に、首から下が動かなくなる神経の難病を患った。食べ物を受け付けなくなって、次第にやせ細っていく。しかし表情は元気なころと変わらない。落ち込む様子もなかったという。

 

今世界中がコロナコロナで、人との関係やこれからの経済など私たち人間は未来のことについて考えだすと、とたんに不安という怪物が私たちを飲み込もうとしてくる。

一方チンパンジーは目の前にある「いま、ここ」しかしらない。だから、人間のように将来を憂い、絶望することもない。

 

私たち人間はチンパンジーと違って、進化の過程にて言葉を手にし、そのことによって時間の概念を自在に操ることができるようになった。今つらい状況に置かれていると、将来をどうしても悲観してしまう。だが、その言葉の獲得によって未来に希望を託すこともできる。。。。

まさに絶望と希望は、簡単に裏返るコインの表と裏の関係にある。

 

 

ちなみにレオ君は、その後介護のかいがあって38歳になった今も穏やかに生きているという。