地方理系大学院生の雑記

地方国立大の理系院生です。思ったことを書きます

コロナ禍での就活は、今後どうなっていくか? 20200902日経新聞朝刊記事「採用での冗長性の是非」より

 自分は既に就活を終えている身である。

しかし、今後のコロナ禍における就職活動だどのように変化していくかは、単に学生の行動の変化だけでなく企業の取り組みの変化も同時に起きていくと考えられる。

そこで、2020年9月2日日経新聞の記事にて就活に関する興味深いものを見つけたので、紹介しつつ、意見を述べていこうと思う。

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図 オンラインと対面の比較

 出所における論文の著者ら(ボリス・バルテス米ウェイン州立大学教授)によると、人と人とのコミュニケーションを

    ①伝達可能な情報量

    ②コミュニケーションの同期性

と定義すると、図からも分かるようにオンラインと対面ではほとんど変わらなくなっている。

 

 自分は就活を通じて対面がほとんどなくなり、オンラインで企業とのやりとりを行ってきた。その中で感じたのは、対面よりオンラインでは正確に自分の言いたいことは伝わらないのではないかと考えていたため、この研究データは、非常に驚くものであった。

 

 記事の中で筆者は、今年度の採用活動では

・オンライン化で偶発的な出会いが減る→冗長性の減少

・失われた冗長性を取り戻そうとするため、企業はアイスブレイクをオンラインで多く設け、学生と素で互いに話そうとしている。

・具体的な近未来を重視→福利厚生、給料等

この三つが軸となっていると述べる。今後もこうした採用活動は続くことから、対策も最後に述べている。

 

①冗長性に頼らない

例最低勤務条件の確認(働かなくてもわかることの確認)

②失われた冗長性を取り戻す

例余興やアイスブレーク、内定後のミスマッチを減らすために本音に近いコミュニケーション

 

 

コロナ禍での就活

 こうした筆者の考えをうけて、まさに今回の就職活動は偶然に知ることができる機会は失われたと感じた。

理由としては、コロナ禍で密になるために、毎年行われていた大手の合同説明会がなくなったからだ。かくいう自分もその説明会で狙っている企業以外の企業も実際に見ることで、偶然の出会いがあるかもしれないと期待していた部分があった。

 

就活は、今後どうなっていくか?

そういった意味では、今後も密になる説明会はどんどんなくなっていき、学生と企業の偶然の出会いはすくなくなっていくだろう。

 

 学生側としては、コロナにおける経済の悪化によって内定をもらったとしても、内定取り消しがされないだろうかと不安になり、かつ内定先の今後の経営にも不安を感じるようになるだろう。そうなると、複数内定を承諾したうえで長期的な就職活動になると予想される。

 

 自分のキャリアや将来像を考えた上で長期的な就活をするのであればいいのだが、このようなどうにもならない外的な要因で長期的な就活を強いられるというのは、学生のみならず企業にとっても採用人数の確保で頭を悩ませることになる。

 

学生と企業の対策

多くの問題が絡み合っているため、単純な解決は難しいと感じる。

しかし、筆者のいうように企業として福利厚生や給料といった最低条件を正確に伝えるだけでなく、学生が内定した後も積極的に学生側とコミュニケーションをとることで相互理解を努めていくことが必要である。

 

さらに、企業はコロナ禍において今後どのような経営方針で利益を上げようと考えているのかを伝えることも重要であると考える。そのことによって、今後また未知のウイルスが発生した際の企業としての対応を学生は知ることができ、企業を選ぶ上での一つの指標となるのではないかと考える。

 

 学生は、積極的な企業の情報を収集・分析するだけでなく、自分にとっての就活の軸やキャリアを考えながら行動していくことが大切だと思う。

最後に

 コロナ禍における就活は、自分は本当に手探りであった。去年の後輩や先輩とは異なる状況であったので、不安でしかたなかった。

ただ、その中でも不安を感じているのは今年度の学生の共通の経験である、と認識したうえで日々何ができるかを考えて行動したことが、内定に繋がったのでは思う。

 

 今後の就活は学生も企業も手探りで進めていくものであるため、一概に今回のことはいえないかもしれないが、一意見として参考にしていただければと思う。